目的を達成するための進み方-2019年2月3日

幸せや成功を現実の中で得るためには、以下の二つのことが必要です。第一に自分自身とその時のまわりの世界ーその目的に到達するための自分がもっているリソースや自分をとりまく現実世界の状況などーをあるがままに理解することによって、正しい目的を設定することです。自分の実力やまわりの状況を無視して、自分の欲望だけで求めるものを決めても実際に得ることはできません。第二に目的を決めたら、それを得るために集中して努力を続けることが必要になります。
第一の自分の実力やそのときのまわりの状況を知るためには何が必要でしょうか?正しく知るために最も大事なのは、あるがままに観ることです。人間の常として、無意識に希望的に判断したり逆に悲観的な見方をしてしまうことが多いからです。あるがままに観るためには、観方をゆがめる原因である欲望と不安から自由になる必要があります。
第二に、求めるものが決まったら、その目的に向かって集中して努力することが必要になるわけですが、集中して努力するためには、不安から自由にならなければなりません。
このようにして、目的を設定するときにも、設定してそこに向かうときにも、ともに欲望と不安から自由になる必要があるということなのです。
ここに難しさがあります。幸せにしろ成功にしろ、それを求めるのは欲望によってなのに、そこに向かうには欲望から自由になることが必要になるからです。欲望があるところには必ず不安もあります。欲望が叶えられないことへの不安が不可避的に生じるからです。人それぞれ欲望が強いか不安が強いかは、その人の性格や傾向で決まりますが、どのような人でも欲望と不安が無い状態で生きることはできません。
それでは、この欲望から生じた行動(求めるものを得たいという行動)を進めるときに、欲望や不安から自由になるためにはどうすればいいのでしょうか?
そのためには、動機としての欲望が働き、自分が進む方向に歩みを始めたら、その歩みをしっかりと続けることに意識を集中し、求めている幸せなり成功なりに意識を向けないことが必要なのです。
この考え方は、「できることに集中し、できないことは考えない」というルールの応用でもあります。いくら熱心に求めても努力をしても、人には成功するときとしないときがあるのは明らかです。つまり結果を決めることは「できないこと」なのです。それに対して「できることに集中する」ことは今「できること」です。
そして当然のことですが、求めるものを得るための言動に集中すればそれを得る確率は高まることになりますから、一度求めるものを決めたら、それを意識しないで今目の前のできることだけに意識を向ける、その姿勢をとることが最良の方法なのです。今を生きることの大切さがここにも表れています。