幾つかの質問に答えて

先日に木村氏主催の合同瞑想会で出た質問のうち幾つかについて、その答えを公開して欲しいとの要望がありましたので、以下に公開します。

  1. 「金井先生が考える”幸せな人生”幸せな生き方”とはどういうものでしょう?」

    【答え】
    幸せの内容は、万人に共通しているものではなく、人間一人一人が心から湧き上がる幸福感を感じている状態を意味します。従って、どのような幸せが正しいとか間違っているとか、そういう考え方自体が間違っています。
    ですから他人に(たとえば私に)幸せの内容を問うことも必要無いことです。そのように必要の無い質問をすることが意味するのは、その人が自分の幸せすらも自分で決められず他者に依存していることを意味します。
    他者に依存する在り方の自分を自我と呼びますが、自我として生きている限り、本来の自分に到達することはできません。

  2. 「使命を自覚しないまま一生を終える人が殆どだと思います。そういう一生は、使命を自覚して生きた人に比べて、本来の生き方ではなく、意義ある人生とは言えないのでしょうか」

    【答え】
    そんなことはありません。使命を生きるのは、評価の対象になるような事柄ではなく、単にその人のためになる生き方である故にその人にとって大事なのです。本来の生き方は、他者が決めるのではなく、その人自身のみが決めることであり、他者に評価されたり認めてもらう必要の無いものです。人生の意義は、生きていること自体の中にあります。使命を生きない生き方は、せっかく与えられている人生を生きるうえで勿体ないということは言えますが、使命を果たそうが果たすまいが、人生の本質的な意義には無関係です。なぜなら、人生の意味は真理によってだけ満たすことが可能であり、真理は使命を定義付ける精神の中にも、使命を生きる自我の中にも無いからです。

  3. 「今年の年の波動は、春先は良くないが、1年を通しては、去年より良くなると先生から説明を受けましたが、今回の大地震等により波動の流れが変化したのでしょうか、去年より良くなるとは思えないのですが」

    【答え】
    波動とはエネルギーです。年の波動とは、その年全体に作用するエネルギーのパターンを意味しています。エネルギーの働きの結果が現象を引き起こし、現象は波動と相互作用しながら次の現象の原因となります。従って波動が良いから必ずしも良い現象を引き起こすとは限りません。一つの現象は無数の要因によって決定されます。ですから年の波動が後半良くなるとしても、春先に起きた大震災のような大きなマイナス現象が生まれれば、当然今年のその後の現象はそれによって影響を受け、たとえ波動自体は去年よりも良くなっても、現象レベルで去年よりも良くなることは不可能に近いでしょう。波動の働きと現象を同一視することは、なぜ瞑想をするかを正しく理解していないことと同じです。瞑想して自分の波動(エネルギー)が良くなっても現象面で良くなっていくとは限りません。繰り返しますが、波動が良くなるとは、エネルギーのレベルが上がることを意味するのです。エネルギーレベルが上がれば現象も良くなる確率が高まることは間違い無いですが、上記のように現象は無数の要因によって決定されるために、エネルギーレベルと現象の変化は常に正比例するわけではありません。それではなぜ瞑想するのでしょうか?それは、良い現象を得るために自分にできることをするために、です。人間にとって大事なのは、良い結果を得ること自体よりも、良い結果を得るために自分にできることにベストを尽くすことなのです。実際問題として、人間には無数の要因が関係する結果を決定することはできません。瞑想することは自分が決定し実行できることであり、良い現象結果は自分では決定できず与えられるものなのです。それが分からない人が、良い現象を得るために瞑想をする、という過ちを犯すのです。それでは現世利益を求めて宗教などに走ることと同じになってしまいます。そして結果にとらわれることによって間違った努力をするだけでなく、苦しみを生み出すことになるのです。