人前で話をしたり、何か慣れていないことをするときには緊張しやすいものです。多くの人が緊張を克服しリラックスしようと努力しますがうまくいきません。それは緊張しているうえにさらにリラックスしようという自分の欲望に捉われるからです。
緊張から自由になるためには、幾つかのステップが有効です。
第一に、緊張を取ろうとするのではなく、緊張したままで行動していいのだ、またはそうするしかない、と自分を納得させることです。
第二に、自分がこれからすることの成功を求めないことです。成功を求めるのではなく、自分のベストを尽くすことを目指すのです。
第三に、緊張が強いのは特にその行動を始める最初の数秒または長くても数分です。ですからその間は意識的にゆっくりと静かに、自分のそのときの自然なペースで行動することに努めることです。
以上のことは瞑想をすることと本質的に同じことです。
第一の、緊張したままでいいと思うのは、心を開きそのときのあるがままの自分を受け入れるということです。
第二の、自分の言動の成功を求めずベストを尽くすことを求めるというのは、欲望という雑念に捉われないということです。
そして第三の、自分の自然なペースを守るということは、そのときの自分を観ることによって成し遂げられるのです。
このように、瞑想を実践している人は、日常生活の中の多くの場面で、瞑想的方法論を活かすことができます。