行動と自信

何か行動を起こす時に、普通は信じることが必要となります。たとえば、その行動が正しいとか、行動が成功するだろうとか、そういったことを信じるから行動を起こすものです。

しかし、行動は何らかの意味でまわりに関係者が存在する場合が多いものです。また自分一人だけでする行動でも、大抵はその結果によって影響を受ける人間が存在します。そのために、行動を起こすときには、自分以外の人間に説明したり了解を求めたりすることが必要になります。

しかし他者からの否定的な反応が戻ってきた場合には、誰でも否定的な反応が自分の中に生まれるものです。自信がぐらついたり相手に対して疑念や怒りが湧いたりして不安や迷いが生じるのです。その結果、そのような否定的なエネルギーが行動のエネルギーを弱めることになるのです。

そのような状態にならないためには、他者からの否定的なエネルギーを受けてもフラフラしない自分でなければなりません。つまりその行動に関して自信がなければなりません。

しかし自信をもつことは誰にとっても難しいことです。何故難しいのでしょうか?それは自信つまり「自分を信じる」ということを、行動の内容の正しさや行動の結果の成功に当てはめるからです。行動の内容が正しいかどうか、または成功するかどうか、両方とも行動を起こすときには分からないのが普通です。分からないことを無理に信じようとするから、せいぜい自分をだますことができるだけで、本当に信じることができないのです。

ですから、分からないことを信じようとせずに、分かることを信じればよいのです。行動を起こすときに分かっていることは何でしょうか?それは、その行動をしたい、という自分の気持ちだけです。ですからそれを信じれば良いのです。

行動を起こしたいかどうか分からないときには、分かるまで待てば良いのです。待てないときには、行動を起こすべきかどうかの自分の判断を信じればよいのです。ここでもう一度言いますが、この場合も判断の正しさを信じるのではないことを理解してください。正しいかどうかはその時点では分からないことです。正しいかどうではなく、自分がそう判断するしかない、ということを知ってそれを信じるのです。

そしてさらに、その行動の結果が成功するとか望むようになるとか信じるのではなく、行動すること自体を信じるのです。そうすれば、どのようなことでも、どのような結果になっても、行動の後で後悔することはありません。そして多くの場合に、自分なりの最大の能力を発揮できるのです。