近しい人が亡くなったとき

近しい人、親や子、配偶者や近親者などが亡くなると喪失感に苦しめられるものです。そのような人たちとは長い時間の間にいろいろとあるのが普通です。そのような歴史のなかで、いつのまにか、その人は自分の一部となっているのです。
そのために、その人が亡くなると自分の一部にぽっかりと穴が空いたように感じるのです。ですから、その人と自分がどのように関わってきたのか、時間をかけて振り返りながら考えてみましょう。
振り返ってみると、ああしておけばよかった、こうしなければよかった、といろいろな想いが出てくるでしょう。そのすべてが、自分ができたこと、できなかったことを示しています。それらすべてを、それだけのことができた自分、できなかった自分なのだと受け止め、今の自分を受け入れることが必要です。後悔は何も生み出さないばかりか今の自分を苦しめるだけです。また逝った人を求めても、何も得ることはありません。
さらに考えるべきは、亡くなった人自身は、この世から去ることですべての苦しみや悩みから解放されることです。亡くなった人が苦しむことはありません。ただ全体の内に戻るだけです。
ですから、その人との関わりを振り返って、たとえマイナスがあってもプラスを多く考えることにしましょう。そして今の自分の少なくても一部はその人によっていることを想い、感謝の気持ちを湧き上がらせ、今はすでに自分が属する世界から去って、もはや思い出の中にしか存在せず、エネルギー的には自分と関わらない存在と化したことを受け入れることが大事です。