瞑想する目的はいろいろな言われ方がありますが、
その一つに「本当の自分を知る」ということがあります。
本当の自分とはどのように定義することができるのでしょうか?
結論から言うと、
本当の自分を肯定的に(~である)と定義することは不可能です。
できることは否定的に(~でない)とすることだけです。
その理由は極めて単純で、
私たちは知らないことを定義することは出来ず、
知っていることは否定することができるからです。
なぜ否定することができるのか?
「本当の自分」が絶対不変なものであるのなら、
今の自分がそうでないから、
今知っている自分を「本当の自分」でないと否定することができるのです。
多くの人が、知りたいという欲望によって、
知らないことを想像したり他者の言うことに依って、知ったと思います。
それは正しくは「信じる」ということです。
「信じる」ことによって人は大きな力を発揮することができます。
それは事実ですが、だからといって本当に知ったことにはなりません。
「信じる」ことと「知る」ことはまったく違うことなのです。
瞑想が目指しているのは、
「信じる」ではなく「知る」ことです。
その点が宗教との本質的な違いです。