感情を表現する

感情を表現することは、自由な心を育てるうえで大事です。
しかし日本の文化の中では、往々にして、
喜怒哀楽を自由に表現することは望ましくないとされます。
はしたないとか、未熟だと判断されるのです。

しかし、表現されない感情は心の内にエネルギーとして留まり、
それが積み重なると、いつか限度を超えて噴出します。
そのときは溜まっているので大きなエネルギーとなり、
極端な言動として表現されやすくなってしまうのです。
ですから、感情とくにマイナス感情は、
なるべくその時々に表現することによって解放した方が良いのです。

もちろん、表現の仕方には理性的な判断が必要です。
マイナス感情に任せて表現すればマイナスの影響が大きくなります。
マイナスの影響を最小限にしながら、
如何に解放するかを工夫しなければなりません。

このようにマイナス感情の存在を分かっているときは、
その対処を工夫することができますが、
なかには、長い間の抑圧の習慣によって、
マイナス感情そのものに気付かない人もいます。
自分が怒っているのだとか悲しいのだとかが分からないのです。
後になってそれが分かる場合もあるしまったく気づかない場合もあります。

自分にそういう傾向があると思う人は、
先ずはマイナス感情に気付くようになる必要があります。

そのためには、最初はプラス感情を意識的に強く感じるようにしましょう。
無意識に抑圧が習慣になっている人の場合は、
マイナスよりもプラスの感情を感じやすいからです。
そして感じたら表現するように努めます。

続けていれば、次第にマイナス感情にも気づくようになっていきます。