行動をためらうときは、二つの理由が考えられます。一つは、その行動をしても失敗するかもしれないという恐れ、二つ目は、その行動をとることで失うものがある場合です。行動の結果が成功か失敗かは結果が出るまで誰にも分かりません。成功の確率を高めるための努力はもちろん必要ですが、最終的には結果が出るまで分かりません。ですから成功を確実にすることでためらいをなくす事は不可能です。
ためらいは迷いです。迷いは自分にとっての判断基準が明確でないために起きます。判断基準がはっきりしていれば、その行動をするにしても、しないにしても、心は整理されて決断することができ、迷いは生じません。ですから、ためらいには以下のステップで対処しましょう。
先ずは、その行動をとることが、自分にとってどの程度大事なことかを決めます。大事か大事でないかはどう決めればよいのでしょうか?絶対的な基準があるわけではありません。人生において大事か大事でないかは、どのような事柄であっても相対的なことです。
ですから、大事か大事でないかを決めるとは、結局は優先順位をつけるということです。絶対的な意味で大事かどうかを決めようとすると難しいのですが、単に優先順位をつけると思えば、比較検討すれば良いのでそれほど難しい作業ではなくなります。
次にその行動をして最悪の結果になったときのことを考えます。その最悪の結果に対して、どこまで自分が犠牲(コスト)を払えるか、また、その結果に対してどのように対処ができるか、を良く考えてみます。
そして最後に、その最悪の結果に対する覚悟を決めるのです。まとめると、1)優先順位をつけることによって行動する価値があるか否かを決める 2)最悪の結果を想定し、できる対処を考える 3)最悪の結果と対処を受け入れる覚悟をつける。
この三つのステップをきちんと実行すれば、行動に際してのためらいはなくなります。これら三つのステップの各々については注意点があります。優先順位の付け方で最も大事なのは、必要性ではなく重要性を考えることです。目先の必要性ばかり気にすると、限られた時間やエネルギーを実り多いものに使う余裕がなくなります。必要だと思うことを実行しないときにどのような結果になるか、それを考えてみるとよいでしょう。必要だと思っていても、意外とそれをしなくてもどうにかなる、ということが多いものです。
次に最悪のケースを想定しておくことは、行動をためらうときだけでなく、人生で常に必要なことです。嫌なことは考えたくないものですが、それでも最悪のケースを考えておくことは、確固たる行動をとるためにはどうしても必要なことです。予め対処を考えておけば、いざというときにパニックにならず適切な判断行動ができるのです。
最後に、最悪の結果に対する覚悟をつけるということは、対処を考えたうえで、その結果を受け入れることを心に決めることを意味します。覚悟をつけずに行動すると、思いとおりにならないとすぐに心がぐらついて、最後まで自分の思いを推し進めることができなくなります。また行動している最中も常に結果について不安の中で進むことになります。
この三つのステップをきちんと実行すれば、行動にたいする不安はなくなり、目先的表面的な、したいことややりやすいことばかりしている人生から、本当に自分にとって大事なことをする人生を送ることができるでしょう。